www.studio-ben.jp
気まぐれ日記 No.60
移動できます
2006年06月27日
.
追記情報 2006/07/01...各種 RAW現像結果の比較レポート 」を追記しました。
www.studio-ben.jp  [ 気まぐれ日記 ] へ ようこそ。
Canon DPP の RAW現像について.
純正ソフトで問題を発見か?!
何かの勘違いでしょ??
 以前、4×5ポジフィルムでも撮影した事のある ↑ Nikomat( 画像は Ben Webのどこかにアップしてあります )を、もう一度撮影してみる事にした。もちろん、今回はデジカメを使用しての撮影ですけど。

 Benさんは勉強熱心なんだね〜! TVを観る時間を創作活動に使うなんて! 偉いぞ! Benさん....。
という声が、どこかで聞こえてくるような予感。(笑)

 ライティングは、仕事でセッティングしたものをそのまま流用している。( な〜んだ、手抜きじゃん! )
撮影後、数種類のRAWデベロップ・ソフトを使って、たまたま現像結果を比較して分かったんだけど、上の写真のある特定の条件部分で DPPの現像結果のみ、イヤなノイズが乗る問題を発見してしまいました!

 本当にそうなの? 純正ソフトにそんな問題があるハズがないよね。
Benの操作が悪いんじゃないの?...単純な勘違いじゃないの?...という疑問もあるので、とりあえず、シンプルなパラメータで現在再検証を行っています。
検証画像等を準備して分かりやすく解説しますので、この件の掲載についてはもう少しお待ちください。

 そして、間違いも十分考えられる事なので、その辺はご指摘いただけると助かりますです。ハイ...。
各種 RAW現像結果の比較レポート ( 2006/07/01 追記 )
DPPの現像結果にノイズを確認
 Benは、画像の使用媒体等により RAW現像ソフトを使い分けているのですが、今回、たまたま数種類の現像結果を眺めていたら、DPPの現像結果のみに変なノイズが乗っていました。

 普段、あまりこのソフトを使用していないので分からないのですが、何故ノイズが乗るんでしょうか。
高ISO値や長時間露出などの特殊な条件下では画像品質が劣化してノイズ発生の原因として考えられるのですが、今回は普通の撮影で、しかも現像パラメータはデフォルトの設定だったのですが...。

 DPP使用の皆さんは既に承知の現象なのかもしれませんが、Benは初めて経験した事なのでちょっと調べてみました。
このレポートが、何か参考になれば幸いです。

※ 記載のコメントは私的なもので参考意見です。最終判断は、画像を見てご自身でご判断ください。
  又、比較結果は画像によって変ります。この一例だけでソフトの優劣を結論付けるのは危険です。
  内容に間違いがありましたらごめんなさい。ご質問やご指摘がありましたらメールでお願いします。
 まずはこの画像↑をご覧ください。
DPPの現像結果のみ、ハイライトのエッジ部分にノイズが乗っています。

 この画像が、実際の印刷物やプリントに利用された場合、おそらく、ノイズとしては認識できないでしょう。
しかし、ちょっとイヤらしいノイズですよね。そこで、ノイズの発生条件や、回避策を探ってみました...。
各種設定データと比較ポイント
 撮影データ
カメラ
Canon EOS-1D MK II
レンズ
EF 100mm F2.8 Macro USM
設 定
ISO 100
F 2.8
1/8 sec
WB:3200K
光源
モデリングランプ1灯 / レフ+鏡

← 赤色部分が画像の比較ポイント
----- 使用した現像ソフトとパラメータ -----
■ Capture One PRO Ver. 3.7
・.標準ルック。他はデフォルト
■ Camera Raw Ver. 2.3
・.デフォルト
■ Digital Photo Professional Ver. 2.1.1
・.画質優先の忠実設定。他はデフォルト
■ File Viewer Utility Ver. 1.2
・.デフォルト


カラースペース:Adobe RGB (1998)
出力:16bit TIFF

Photoshopで画像を開き、比較ポイントを300%に拡大しています。
画像を比較してみましょう
 これは先程の DPPノイズ画像。
ハイライトが完全に飛んで( R:G:Bが "0:0:0" )いる訳ではないのですが、ほぼ飛び気味の部分があり、その両サイドが暗い( 輝度差が激しい )場所にノイズが発生するのでしょうか。
他の部分↓で比較してみましょう。
 ハイライト部分が完全に飛んでいて両サイドが暗くても、面積が広いとエッジ部分にノイズは発生していないようです。
ちょっと、ザワザワしてますが。
 ハイライト部分が細くても、その部分が少し暗いとノイズは見られません。
ハイライト部分が完全に飛び気味で、その太さが細い場合にノイズが発生すると予測できます。

 では、ハイライト部分から徐々に暗くなる( グラデ )部分ではどうでしょう...。
 ノイズについては問題なさそうです。

 流石、C1 PROはグラデーションが滑らかですね。Camera Rawも良いみたい。
グラデの立ち上がり部分の境目が一番目立つのは DPPでしょうか?
EVUは、ノイズ感が無くて奇麗ですが、黒の落ち込みが早く、中間トーンがあまり再現できていませんね。

※ 使用しているモニターの種類や品質、調整具合等により、見え方が異なる場合があります。

 デジカメでは、ハイライト部分のディテールやグラデーションの繋がりがどれくらい記録できているかが重要であり、画像の生成時に一番気を使う部分でもあります。

 次はハイライトの微妙なディテールが、どれくらい記録できているのかを見てみましょう。
 これはペンタ部分の、アルミのナシ地加工( 光沢でなく、ザラザラさせる加工。)された場所です。
EVUって、ハイライトのディテールがちゃんと表現されてますね。意外と優秀ですよ。
実際にどれくらい情報として記録されているのかを見てみましょう...。
 先程と同じ画像ですが、レベル補正の中間トーンのみを落としてあります。
ご覧の通り、EVUが優秀ですね〜。
Camera Rawが一番情報量が少ないでしょうか。
 ほぅ〜...EVUは色付きも少ないですよ。
他の部分ではどうでしょう...。
 なるほど、EVUはちょっとラインが薄くソフトな印象です、黒の落ち込みも早いですね。
今度は、暗い部分を見てみましょうか。
 同じパターンを繰り返す低周波?部分ですが、DPPとEVUには若干色付きが見られます。
Camera Rawは素直です。
もっと黒い部分ではどうでしょうか...。
 な〜んだ、EVUは黒が潰れ気味です。
Camera Rawはコントラストが高そうですね。
C1 PROと DPPが良さそうですが、DPPはちょっとノイズっぽく、部分的に " R " の色付きも見られます。

 もうちょっと詳しく見てみましょう...。
 先程と同じ画像ですが、レベル補正の中間トーンのみを上げています。
なるほど... EVUは完全に潰れている訳ではなく、階調情報はちゃんと記録されてますね。ただし、" G " の色付きが見られますので、そのまま暗部を持ち上げてもダメみたい。荒れちゃうしね...。
 C1 PROは優秀ですね。ノイズっぽくないし暗部の再現が素直です。

 では、光沢部の黒はどうでしょう...。
 やはり、EVUは黒が潰れぎみに見えますね。
あれ? Camera Rawは、グリーンのラインが白く見えますよ。黒がちょっと赤っぽい?...気のせいかな。
 これもレベル補正したものですが、数字の周囲が赤なんだ...。
他のカラーはどうでしょう...。
 Camera Rawは、黒と赤の文字色が変色して見えますね。締まりもありません。
DPPは鮮やかに見えます。

次は、黒のグラデーションを見てみましょう。
 Camera Rawですが、若干 " Y " っぽいですが、特に問題のある黒ではないような気がします。先程の文字色( 黒/赤/緑 )は少し??です。面積の小さい色は何かの影響を受けているのかなぁ。

 DPPは少し硬い画像といえますね...。
最終的には、これくらいでも全然問題はなさそうですが、DPPとEVUは、だいぶ現像の味付けが異なっているようです。

 EVUはやはり黒の落ち込みは早いですが、ノイズもなくグラデーションが奇麗に見えます。
まとめ
 通常は、ハイライトを飛ばし気味にして黒を締めると画像にメリハリが付いて一般受けすると思うのですが、レタッチや印刷を前提とした場合、中間トーンが滑らかでシャドウの落ち込みやハイライト部分の飛び方に粘りがある方が良いと思います。多少眠いかな?と思われる画像でも、RGBの納品データがそのまま印刷される訳ではなく、プロファイル変換やシャープネスの処理、場合によってはトーンの再調整がされる場合もある訳ですから、見た目で判断するのはキケン?かもしれません。特にハイライト側はデリケートな部分で一番気になります。切り落とされた情報は取り戻す事が出来ませんからね。

 ノイズは出方にも依りますが、適度な質感や解像感、存在感の描写には必要ではないでしょうか。
各ソフト、その辺のチューニングに苦労してるのかな。

 RAW現像は、「 時間を掛ければ良い画像が生成できる。」のであればまだ救われますが、生産性も無視できない大きな問題です。デフォルトとはいいませんが、あまり手間を掛けずに品質の良い画像を吐き出してくれるソフトは貴重です。

 あまり参考にならない限定的な条件でしたが、C1 PROは総合的に安定した画像を生成していると感じました。
EVUもノイズレスでハイライト部分はとても魅力的。若干シャドー側の表現と中間トーンが貧弱なのですが、ジュエリー等の撮影には有効かもしれません...。今度、テストしてみようかなぁ。
 Camera Rawは多少問題も感じられますが、パラメータの追い込みで、ある程度修正が可能であれば、汎用的に活用できると思います。Photoshopとの連携も良いですし。
 DPPは、あのイヤらしいノイズがなければ優秀な現像ソフトといえるのではないでしょうか。
チョット固めの画質ですが、これはEFレンズの特徴( フィルム時代のEFレンズに抱いていたイメージ. )を、そのまま現像結果に反映させた結果かもしれませんね。

 ところで、DPPノイズの回避方法はあるのでしょうか。
ちょっと微妙ですが、その答えは簡単でした。(笑)
 DPPの環境設定で、『 動作モード 』というパラメータがあるんです。
そこにある『 輝度ノイズ緩和 』を " 強 " に設定して再現像↑してみると、あらら...ノイズが消えましたよ。

 ここのパラメータがデフォルトで ON になっていないのは、何か理由がありそうですね。
HELPの説明によると、画像によっては解像度が低下する場合があるからだそうです...。
ちょっと微妙ですが、常に ON にしておいても大丈夫かな??

 良く視ると、暗部にノイズが無くなりノッペリとしています。
この辺の事情により、ユーザーが画像毎に判断して " なし - 弱 - 強 " の設定をする必要があるのでしょう。
他のソフトのように、デフォルトでもエッジにノイズが発生しないように改善されれば使い易くなると思うのですが...。


 次回は、SILKYPIXの生成画像についてレポートしてみる予定です。

※ 7月2日、SILKYPIXに「 線形限界自動判別ロジック 」という新機能が搭載されるという情報を得ました。 / 情報源 /
  これにより、弱点だったハイライト側の再現性が改善される模様です。
  予定をしていたSILKYPIXのレポートは、この機能が搭載されてから再検証して掲載する事に致します。ご了承ください。
移動できます
FAQ
copyright (C) STUDIO BEN. All rights reserved.
CLOSE